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▼今週の注目記事  納税3668号1面

志村けんさん 急死から1年
相続いまだ手つかず

 タレントの志村けんさんが新型コロナウイルスによって亡くなって1年が経つ。だが、約10億円に上るともいわれる志村さんの遺産について、遺族らによる相続手続きはいまだ取られていないという。予期せぬ別れにまだ心の整理がつかないことに加えて、志村さんが死後の遺産処理などについて方針を示していなかったことも理由のようだが、遺族らの心情を税の期限がおもんぱかってくれることはない。生前対策の重要性がコロナ禍でさらに増しているといえる。

 タレントの志村けんさんが亡くなったのは、昨年3月29日のことだった。その約2週間前の17日に体に倦怠感を覚え、2日後の19日には呼吸困難の状態に陥ったという。21日からは意識も戻らず、そのまま帰らぬ人となった。体に違和感を覚えてから12日、肺炎らしき症状を伴ってからはわずか10日という、あっという間の出来事だった。志村さんの急死は、日本人にとって初めてともいえる顔を見知った有名人の新型コロナによる死であり、同ウイルスの恐ろしさをわれわれに知らしめた。

 それから1年、命日の前日に当たる3月28日、東京都東村山市内の寺で、志村さんの一周忌法要が執り行われた。いまだコロナ禍であることをかんがみ、近親者だけでしめやかに営まれたという。火葬にも立ち会えず、骨を拾うことさえできなかった兄・知之さんは、メディアの取材に対して「まだ気持ちの整理がつかない」と言葉少なに話した。

 そして整理がついていないのは、志村さんの約10億円に上るともいわれる遺産についても同様だ。

 志村さんはかつてタレント部門の高額納税者番付でトップに立ったこともある芸能界きっての売れっ子だけに、その収入は年1億円をくだらなかったとされる。不動産だけでも港区のマンション、三鷹市に所在する土地付きの豪邸、さらに熱海市にあるタワーマンションと3つの物件を所有していた。だが、それらの不動産の相続手続きどころか、自宅にある遺品の整理すらほぼ手つかずの状態のままだというのだ。知之さんは週刊紙の取材に対し、諸々の遺品整理や相続手続きについて「まだそのままなんです。すぐに整理できる段階ではなくて」と話すにとどめた。

 心の整理がつかないうちに遺品に触れるのは気が引けるというのは、取り残された家族の心情として理解できるが、こうした遺族らの心情をおもんぱかってくれないのが、相続税だ。

 プレイボーイとして数々の浮名を流した志村さんだが、生涯独身を貫き妻も子どももいない。そのため志村さんの相続人は知之さんら2人の兄ということになる。相続財産が10億円あるとすると、2人の兄が負うべき相続税額はおおよそ4億円ほどとみられる・・・

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