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▼今週の注目記事  納税3700号1面

日本人移住ランキング1位
大谷選手も暮らすLAの税金事情

 「ロサンゼルスも税率が高いので、自分の稼いでいる半分よりちょっと多いぐらいは納めないといけない」――。米大リーグエンゼルスの大谷翔平選手は、日本記者クラブで行われた会見で本紙記者の質問にこう答えた。日本人にとって最もなじみのある外国であるアメリカは、日本からの移住者が最も多い国でもある。なかでもロサンゼルスがあるカリフォルニア州は人気の土地だが、大谷選手が言うように税金は全米でもとびきり高い。引退後の移住先に選ぶ人も多いなか、海外移住の傾向とロスの税金事情について調べてみた。

〈海外移住者〉この30年で2倍に

 二刀流で旋風を巻き起こした大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(27=写真)が11月15日、日本記者クラブで会見を行った。本紙記者による「アメリカに住んでみて見えてきた日本の税制や税金について気づいたことや思いなどあるか」との質問に大谷選手は「ロサンゼルスも税率が高いので、自分の稼いでいる半分よりちょっと多いぐらいは納めないといけない。それは納めます」と答えたうえで、稼いだお金の使いみちについては、「特に消費するということはあまりない方なので、今のところは(お金は)たまっていく一方かなと思っています」とにこやかに話した。

 仕事上の関係で海外に暮らす大谷選手のような長期滞在者に加え、外国の地を終の棲家と考えて移住する永住者は、ここ30年間で2倍近くに増加している。外務省の推計によると2020年10月時点の海外在留日本人は135万7724人(長期滞在者約83万人、永住者約53万人)で、昨年は新型コロナウイルスの影響で前年比3.7%の減少となったもの、30年前の62万174人(同約34万人、同約25万人)から72万人以上も増えた。

 移住する地域別では「北米」が36.6%で1985年以降一貫して首位を維持し、「アジア」30.0%、「西欧」15.6%と続き、これら3地域で全体の8割以上を占めている。国別では米国が全体の31・4%でトップ。次いで中国(8.2%)、オーストラリア(7.2%)の順だ。さらに都市に絞ると、大谷選手も暮らす「ロサンゼルス都市圏」が6万7501人と全体の5%を占めて最多となっている。

 海外移住者の増加について都内の税理士の一人は、「背景には日本の税制に対する富裕層の不満があることは間違いない」と語る。富裕層の資産をめぐる税制の変遷を振り返ると、2014年に5000万円超の国外資産を有している人への「国外財産調書」の提出が義務化されたことにはじまり、翌15年には国外転出時に1億円以上の有価証券に対する含み益に所得税を課税する「出国税」が導入された。さらに同年の税制改正で相続税の最高税率が55%に引き上げられ、17年の税制改正では国外資産への相続税の免除条件が、相続人、被相続人とも「相続開始前に海外に10年超在住」と2倍に引き伸ばされている。前出の税理士は「お上の締め付けが資産家および資産の海外流出を加速させている」と、追い詰められた資産家が海外移転を考えるのは自然な流れであると話す・・・

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