オーナー社長向け財務・税務専門新聞『納税通信』。
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井上尚弥選手が世界バンタム級3団体の王座統一を果たした6月7日、神奈川県内の自宅に空き巣が入った。試合中の不在を狙った犯行と見られており、ツイッターやインスタグラムといったSNS上で紹介されていた井上選手の高級腕時計やブランドバッグなど数十点が盗まれた。SNSはコミュニケーションツールとして普及し、多くの人の私生活の様子がインターネット上で閲覧できるようになっている。そうしたなか警視庁は、空き巣グループがSNSを悪用して資産のある個人を特定し、「旅行中」「出張中」などの投稿をもとに自宅にいないタイミングを見計らって犯行に及ぶケースが目立っていると指摘する。
総務省は特設サイトを設けてSNS利用者に注意を促す。トラブルを防ぐための手段として、@非公開アカウントなどを活用して公開範囲を制限する、A投稿時の状況などを特定されないよう投稿のタイミングをずらす、B誰に狙われるか想像する――の3点を挙げる。SNSの目的がプライベートの共有や情報発信である以上、@やAを徹底するのは現実的とは言えないが、Bの観点は欠かせない。
リッチ層が想定しておかなければならないのは国税当局の視点だ。都内の国税OB税理士は、「いまや調査対象者のSNSを確認するのは当たり前になっている」と指摘する。税務調査の大まかな流れとしては、@調査対象の選定、A事前通知、B準備調査、C臨場調査―となっており、このうち主に調査対象者が確定した直後の「B準備調査」の段階でSNS情報が念入りにチェックされているという。
OB税理士は、申告内容の確認や過去の財務諸表の分析、取引先や銀行への聞き取りといった従来の準備調査にSNSのチェックを加える利点として、「昔だったら現地へ足を運んで反面調査しなければつかめなかったような、社長の金銭感覚や性格、プライベート情報を知ることができる。国税職員からすれば宝の山だ。新たな投稿があったときに知らせてくれる『自動巡回ソフト』で継続的に監視することもある」と話す・・・
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