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▼今週の注目記事  納税3650号1面

非課税枠の抜本的見直しの動き
駆け込み贈与をするなら今

 毎年この時期は、非課税枠の範囲内で年内に生前贈与を行う駆け込み≠フ季節だが、今年に限っては、さらにその重要性が増している。資産家の財産移転に活用されてきた各種の非課税特例が近く期限を迎えるだけでなく、これまで相続税対策の基本とされてきた110万円の生前贈与が今後使えなくなる可能性が浮上しているからだ。そのつもりがなくても税を課されてしまう「うっかり贈与」対策も含めて、余分な負担なく資産を次世代に引き継ぐ方法を把握しておきたい。

一括贈与特例は来年3月まで

 年末は節税の季節といわれる。個人のその年の所得が確定するのが12月末であることや、数ある負担軽減策のタイムリミットが年末であることなどがその理由で、資産家や今年に収入の多かった人は12月末までに様々な手法を利用して、負担を減らすことに苦心することになる。

 そのなかでも資産を多く持つ経営者が、将来の相続を見据えて最初に検討するのが、110万円の暦年贈与だ。暦年贈与は毎年110万円までの贈与が非課税となる制度で、諸々の非課税特例と比べても受贈者の年収や贈与したお金の用途に制限なく税負担ゼロで資産移転が可能なことから、相続税対策の基本のキともいえる代表的な手法となっている。しかも110万円の非課税枠は受贈者1人当たりの上限のため、例えば妻が1人、子が2人いる人が制度をフル活用すると年間330万円、10年続ければ3300万円を完全に無税で引き継げる。この非課税枠は年の切り替わりとともにリセットされるため、今年分の非課税枠である110万円を贈与するなら、12月31日がタイムリミットとなる。年末のバタバタする時期になって忘れないよう、贈与の意思があるなら今のうちに行っておきたい。

 または12月末ではなく来年3月末がタイムリミットとなっている制度として、子や孫への教育資金や結婚・出産・育児資金の贈与を非課税とする特例がある。

 教育資金の特例は、子や孫などの直系卑属に対する教育資金の一括贈与について、1人当たり1500万円まで贈与税を非課税にするもので、これまでに22万8千件、約1兆6537億円が贈与されている人気の制度だ。結婚・出産・育児資金の特例は最大1000万円までを非課税にするもので、教育資金の特例に比べれば人気は落ちるが、こちらも利用件数は増加傾向にあり、昨年は6790人が適用している。暦年贈与に比べればまとまった資産を一度に移転できるのが魅力で、条件さえ満たせれば破格の非課税制度といえる。両特例は来年3月が期限となっていて、暦年贈与と比べれば時間的余裕がある。とはいえ、年が明けてからの3カ月は確定申告や決算業務などに手を取られることもあり、思っている以上に早く過ぎ去るものだ。贈与の意思があるなら、こちらも早めに実行しておいたほうがよいだろう・・・

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