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▼今週の注目記事  納税3662号1面

持続化給付金が終了
中小企業の大淘汰時代突入

 コロナ禍にあえぐ中小企業の資金繰りを支えてきた持続化給付金の受付が2月15日に終了した。政府は事実上の後継策として事業再構築補助金を新設したものの、スピード支給をよしとしてきた持続化給付金とは対照的に、実際に給付されるのは採択から原則1年後となっている。つまり補助金を受ける企業には、1年間耐え抜くことができる体力が備わっていることが求められるということだ。これは政府の方針が事業継続のための資金繰り支援から、菅首相がかねてから成長戦略に掲げてきた「足腰の強い中小企業を育成する」段階に今まさにシフトしたことを示している。

体力ある企業だけ支援

 中小企業に最大200万円、個人事業者に最大100万円を支給してきた持続化給付金が2月15日に受付を終了した。申請に必要な書類を最低限に絞ることで短期間での給付を実現し、コロナ禍にあえぐ事業者の資金繰りを支え、2月15日時点で約421万件、約5.5兆円を給付している。

 政府は持続化給付金をあくまで「緊急時の対応」としており、同給付金の終了をもって中小企業の支援に区切りをつける考えだ。そして後継策としてポストコロナに対応するために業態転換・事業転換等を行う企業を支援する事業再構築補助金を創設し、3月から公募を受け付けるとしている。

 事業再構築補助金では、業態転換などに取り組む中小企業等に対し最大1億円の補助金を支給する。1月28日に成立した第3次補正予算に盛り込まれ、1兆1485億円の予算を割いた一大事業だ。持続化給付金の後継策として設けられたものの、両者を比較すると政府の目的が中小企業の資金繰り支援から、菅首相が成長戦略会議で掲げてきた「中小企業の規模拡大を通じた生産性向上」を実現するための淘汰・再編に軸足を移したことがうかがえる内容となっている。

 まず、持続化給付金に比べ採択を受けるまでのハードルが高い。事業再構築補助金では、業態転換や事業転換などを行うための事業計画を、税理士をはじめとした認定経営革新等支援機関とともに策定する必要が生じる。さらに、計画通りに支出したかどうかの経費項目が証憑によって審査される。申請書類を必要最低限に絞り、使途も自由だった持続化給付金から大きく方向性が変わった背景には、持続化給付金の不正受給が多発したことへの反省もあるようだ。

 さらに、持続化給付金は申請の約7割が14日以内に支給されていたが、事業再構築補助金では実際に補助金が支給されるのは原則として採択から1年後になる。つまり、1年間は計画に沿った事業展開をするための資金を自社で立て替えなければならないということだ。なお、計画実施前に補助金が支払われる概算払制度が設けられる予定だが、なんらかの条件が付される見込みで、やはり持続化給付金に比べれば受給のハードルは高いと言わざるを得ない・・・

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