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▼今週の注目記事  納税3693号1面

パンドラ文書
スーパーリッチ層の税逃れいまだ横行

 世界中の大統領や政治家、芸能人などのスーパーリッチ層がタックスヘイブンと呼ばれる租税回避地を使って税逃れをしていた実態を示す「パンドラ文書」が公表された。2016年に公開された「パナマ文書」以降、タックスヘイブンを利用した税逃れに対する視線は厳しく、新たな課税ルールづくりも進んできたが、いまだ国際的な租税回避が横行している状況が浮き彫りとなった。

各国首脳の名がズラリ

 パンドラ文書は、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した、タックスヘイブン(租税回避地)での会社設立などを管理する法律事務所や信託会社など14社の内部文書だ。記載された取引は1190万件に上り、91の国・地域、330人以上の政治家や政府高官のタックスヘイブンへの関与が明らかにされている。

 文書には、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。ロシアのプーチン大統領をはじめ、英国のブレア元首相、ヨルダンのアブドラ国王、チェコのバビシュ首相など、各国の大統領や首相、首長一族、軍幹部、裁判官。さらに芸能関係では世界的ミュージシャンのリンゴ・スターさんやエルトン・ジョンさん。日本の企業や個人も1000を超えるとされる。

 タックスヘイブンを利用した税逃れが世界的な話題となったのは、2016年の「パナマ文書」の公開がきっかけだ。パナマ国内の法律事務所「モサック・フォンセカ」が関与した1150万件の金融取引が記載された文書は、富裕層の税逃れの実態をあらわにするものとして世界中に衝撃を与えた。そのときにも今回同様にロシアのプーチン大統領の名前や、当時のキャメロン英首相、中国の習近平国家主席、ウクライナのポロシェンコ大統領、サウジアラビアのサルマン国王、シリアのアサド大統領、パキスタンのシャリフ首相など、多くの国家首脳の親族や関係者が挙がり、世界中のタックスヘイブンにペーパーカンパニーを設立し、そこに資産を移動させていたことが白日の下に晒された。

 さらにその後、パナマ文書の続報に当たる「バハマ文書」、「パラダイス文書」なども公開され、タックスヘイブンを用いた税逃れに対する視線が強まった結果、経済協力開発機構(OECD)が主導していた国際的な課税ルール作りの議論が飛躍的に進んだ経緯がある。そのパナマ文書から5年が経過したが、今回のパンドラ文書により、世界のスーパーリッチ層による税逃れがいまだ横行していることが明らかになったわけだ。

 問題となっているスーパーリッチ層の租税回避とは、国による税制の違いを利用して税負担を抑えるテクニックのことだ。最もシンプルな方法としては、税率の高い国で上げた利益を、税率の低い国に設立した会社に特許使用料を支払うなどの名目で移し、そこの低い税率で税金を納めることで税負担を限りなくゼロに近づけることができる。世界有数のタックスヘイブンとして知られる英領ケイマン諸島には、5階建てのビルに約2万の実体の無い書類上だけの企業が登記されているという・・・

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