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▼今週の注目記事  納税3598号1面

修繕費と資本的支出の境界線
災害対策で税金を減らす

 1月から6月までの半年間で最大震度6弱以上の地震が熊本、北海道、山形と3都市を襲い、さらに夏以降は豪雨と大型の台風が全国の広い範囲で猛威を振るった今年は、企業の自然災害への備えが近年にないほどに注目された年となった。誰もが当事者となり得る災害への対策として古くなった設備の補修や耐震補強に取り組むなかで、施工にあたっては現況との強度の差異で経費計上できる額に違いが出ることもあるので注意が必要だ。年末に向けた駆け込み節税≠フなかでも効果の大きい修繕費について考えてみたい。

個人事業主なら年末、企業なら年度末には、黒字部分を少しでも減らして節税につなげるために、経費となる支出を増やすなどの対策がとられる。そうした数ある駆け込み節税策≠フなかでも、固定資産の修繕費計上は最も効果が大きい税金対策のひとつといえるだろう。うまく認められれば数百万円から数千万円単位の経費計上も可能で、大きな黒字を出した年には所得を一気に圧縮することができる。

だが、経費計上しやすいということは、同時に国税当局が目を付けているということを忘れてはならないだろう。自然災害で傷を負った事業所の復旧はそれこそ数千万円に上ることも少なくない。税務調査では必ず厳しく問われる部分であり、災害が多発する近年は特に注意深く見られている。初年度に全額が経費として認められる「修繕費」として計上するか、一部しか経費として認められない「資本的支出」となることを前提により強固な改修を試みるかは経営判断となるが、いずれにしてもきちんと仕組みを理解して判断したい。

一般に経費として認められる支出である「修繕費」とは、事業所や工業用機械といった固定資産の維持管理や原状回復のために支出する費用を指す。あくまでも「そのまま使える状態を保つ」ということが目的であるため、補修や改修によってバージョンアップやグレードアップをしてしまうと「現状維持」を超えて資産の価値を高める「資本的支出」とされ、初年度の経費としては一部しか認められない。「資本的支出」のために払った金額は、新たな減価償却資産を取得した価額となるためだ・・・

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