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▼今週の注目記事  納税3506号1面

事業承継税制が大幅拡充
後継者難の特効薬になるか!?

2018年度税制改正大綱では、中小企業の自社株引き継ぎにかかる税負担を軽減する「事業承継税制」が大幅に見直された。従来の内容では経営者の世代交代を促すには不十分との認識から、これまでは自社株の一部にしか認めてこなかった納税猶予を10割にまで一気に引き上げ、後継者を一人に限定する要件を撤廃して複数人承継の適用を認めた。政府は同税制を突破口として、高齢化が進む企業経営者の世代交代を一気に図りたい構えだが、事業承継を阻むものは税負担だけではない。中小企業の承継をめぐる状況と、今回の改正が与える影響を見てみる。

自社株100%を納税猶予

中小企業が事業承継を行う際に最優先で考えなければいけないのは、自社株の引き継ぎだ。保有する自社株の割合は、経営を行う上での発言権に直結する。後継者に確固たる発言権を持てるだけの自社株を引き継げなければ、経営は迷走し、会社の存続すらも危うくなるだろう。だが自社株の引き継ぎには、困難が付きまとう。安定して事業を続けてきた企業ほど、自社株の評価額は自然と高くなり、それだけ引き継ぎの際に後継者にのしかかる相続税や贈与税が負担となるからだ。

こうした税負担が中小企業に事業承継をためらわせ、円滑な世代交代を妨げているとして、政府が2009年に導入したのが「事業承継税制」だった。一定の要件を満たした企業に対しては自社株引き継ぎにかかる税負担を一部猶予するというもので、要件を満たしている限りは猶予され続けるため、実質的には免除とも言えるかもしれない。税制を適用して軽い税負担で株を引き継ぎ、その直後に会社を畳むという“悪用”を防ぐため、数年間の従業員雇用の維持や、事業の継続といった厳しい要件が設けられた。

しかし、その要件が厳しすぎた。中小企業支援のエキスパートである税理士からも「実用性はほとんどない」とまで言われ、年間の利用は170件程度にとどまったことから、政府は慌てて同税制に手を加えた。幾度かの見直しによって、従業員の雇用維持要件は「5年間8割維持」から「5年平均で8割維持」へ、後継者要件は「親族のみ」から「親族外後継者可」に、さらに二代目から三代目への再承継の際にも猶予を継続し、猶予取消時にも税負担が軽くて済む可能性がある相続時精算課税制度を使え・・・

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