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▼今週の注目記事  納税3812号1面より

その価値、徹底検証!
新しい信用保証制度

 経済産業省が新しい信用保証制度を創設することを発表した。新制度では、信用保証協会に支払う保証料を上乗せすることで、経営者個人が会社の連帯保証人となる「経営者保証」が不要となる。債務超過であっても経営者保証が不要になるという点にも期待が寄せられている。一方で、現場からは「中小企業の実態に合っていない」といった声も聞こえてくる。新制度の利用価値を見極めたい。

3年間は国が保証料を一部補助

 信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が債務保証をする制度だ。信用保証協会は中小企業や小規模事業者の資金繰り円滑化を目的に発足した。金融機関と取引実績が少ない中小企業や小規模事業者が融資を受けるに当たって、公的機関である信用保証協会が保証人となることで融資を受けやすくなる。信用保証協会は利用者から保証料を徴収し、利用者の返済が滞った際に代わりに立て替え払いをしてくれる。金融機関としても、信用保証協会が保証人になってくれれば貸し倒れのリスクがなくなるため、積極的に融資できるようになる。

 現在、日本の中小企業の4割が信用保証制度を利用している。だが、そのうち7割で経営者個人が会社の連帯保証人となる「経営者保証」を提供していることがこれまでも問題視されてきた。経営者保証を付ければ金融機関からの資金調達は円滑に進むが、同時に経営者個人は自己破産のリスクを背負うことになる。東京商工リサーチの調査によれば、2020年に破産した中小企業の68・2%で経営者が自己破産を選択しているという。そのため経営者保証は経営者の事業拡大や円滑な事業承継を妨げるものとして見直しが求められてきた。

 こうした課題の解決策として、全国銀行協会と日本商工会議所は「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、14年2月に適用を始めた。ガイドラインで示した要件を満たすことで経営者保証の解除を促す狙いだったが、そのためには法人と経営者のお金のやりとりが明確に区分されていることに加え、財務基盤の強化や、法人のみの資産や収益力で返済が可能であること、さらに金融機関への財務情報の定期開示義務などハードルは高く、また自主的なルールであるため目立った成果は見られなかった。

 そこで金融庁は22年12月、経営者保証の解除を促すための「経営者保証改革プログラム」を経済産業省や財務省と連携して策定し、23年4月にスタートさせた。その中身は、無担保の創業融資制度の創設、経営者保証を要求する金融機関に対する監督の強化、希望しない経営者保証の縮小―と大きく分けて3つの取り組みが盛り込まれている・・・(この先は紙面で…)

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