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▼今週の注目記事  納税3706号1面

教育資金の非課税特例 終了まで1年
駆け込み贈与は計画的に!

 子や孫1人当たり1500万円を非課税で引き継げる「教育資金の一括贈与特例」が来年3月に期限を迎える。期限はたびたび延長されてきたものの、22年度税制改正大綱では家庭内の資産移転に税を課さない点が格差の固定化に繋がっていると問題視され、「不断の見直しを行っていく」と制度の終了や縮減が示唆された。これまで1.8兆円にも上る資産の移転に活用されてきた人気制度であり、期限までに利用を考えているのであれば急がなければならない。だが、計画的に導入しなければ思わぬ税負担が発生することにもなり、また親族間のトラブルにまで発展する事例も報告されている。駆け込み贈与を成功させるには早期の着手とともに、丁寧かつ慎重な対応が必要だ。

大綱で特例終了を示唆

 教育資金の一括贈与の特例は、30歳未満の子や孫の教育資金にあてるための贈与について、受け取る側1人当たり最大1500万円まで贈与税を非課税とする制度だ(表)。信託銀行などに専用の「教育資金口座」を開設して贈与された財産を管理し、受贈者は使った金額について領収書などを銀行に提出して教育目的で利用したことを証明すれば、贈与税の負担を回避できる。子や孫の数だけまとまった額の相続財産を減らす節税効果が見込めるため、2013年の制度開始以来、富裕層を中心に順調に利用件数を増やしてきた。信託協会の調べによると、スタートから半年弱で制度を利用した信託の契約数は4万を超えた。その後も右肩上がりで増加し続けており、21年9月までの累計利用件数は24万6691件、総額は1兆8306億円に上っている。

 節税策として富裕層を中心に人気を博してきた特例だが、制度を活用した贈与の期限は23年3月末だ。22年度の税制改正大綱をみる限り、期限は延長されることなく23年3月末で廃止される可能性が高い。大綱では結婚・出産・育児資金、住宅取得資金といった財産を非課税で一括贈与できる類似の特例とともに「経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では家族内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度になっている」と指摘され、「格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある」と、これまでにない強い口調で記載された。政府がこれらの特例について縮減や廃止に向けて本格的に見直しを進めて行く姿勢が色濃く現れている・・・

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